MWC(Mobile World Congress)2019で、ソニーは新しいXperia 1を発表した。今回は、ソニーモバイルチームが初めて同社のアルファ、ブラビア、そしてシネアルタチームとコラボレートした。その結果、3種類のレンズを持つカメラと、OLED 4K HDR 21:9 CinemaWideディスプレイを備えたスマートフォンが完成した。
OLED 4K HDR 21:9 CinemaWideディスプレイ
Xperia 1でまず目に留まるのは、6.5インチ21:9、解像度1644 x 3840の大きなディスプレイだ。
Huawei Mate 20 RSなどのスマートフォンも同サイズの画面を備えているため、21:9ディスプレイはXperia独自のものではないが、ワイドフォーマットの映画などでは画面に黒い部分が表示されずに2:35のアスペクト比で視聴することができる。
むしろXperia 1のディスプレイのユニークな点は、それがスマートフォン初のOLED 4K HDRディスプレイであるという点だろう。ブラビアチームとのコラボレーションの結果かもしれない。
また10ビット処理により、Xperia 1はスムースな諧調で映像を表示できる。 1000,000:1という高いコントラスト比で「より濃い」黒を再現でき、ITU-R BT2020やDCI-P3/D65といった様々な色空間をサポートする。
さらに、Xperia 1はHDRリマスタリング技術を搭載している。これは表示している映像を分析し、より鮮明に「HDRのように」表示することができ、JPEG、GIF、PNG、BMP、HEIF(iPhone)、DNG、CR2、NEF、RW2、MPEG-4ビデオ、H.264など、さまざまな静止画やビデオ形式のコンテンツを視聴できる。
トリプルレンズシステム
Xperia 1は3つのレンズを持つカメラを装備している。16mm f / 2.4超広角、多用途26mm f / 1.6、2倍光学ズーム付き52mm f / 2.4の各レンズだ。 3つのレンズを持つということも特別新しいことではないが、キーポイントは画像処理にある。
写真に関しては、ソニーのαカメラに採用されているBIONZ X画像処理チップがXperiaにも搭載された。画像をJPEGとして保存する前に、新しいRAWノイズリダクションテクノロジが適用される。また、毎秒10フレームで目を認識するAFとバーストモードを備えた最初のスマートフォンだ。
Xperia 1は、αカメラと同様に、シャッター速度とISOをマニュアルで制御できる。
映像クリエーターは4K HDRで収録することができ、拡張ダイナミックレンジの恩恵を受けることができる。更にこのカメラには、光学式および電子式の手振れ補正機能があり、安定した手持ち撮影ができる。
しかしこのカメラに採用されている注目すべき技術はCineAltaビデオアプリケーションだろう。 CineAlta技術に基づいた21:9レコーディングやカラー設定、4K HDR、24fpsなどの本格的な映像記録機能だ。 ルックカラーページでは8種類のカラープリセットが用意されており、CineAltaカメラに基づくルックを映像に適用できる。またFHD / HDで最大960フレーム/秒までのスローモーションが可能だ。ただ解像度やフレームレートについてのそれ以上の情報は発表されていない。
なお128GBのUFSメモリを搭載しており、最大512GBまでのmicroSDXCカードをサポートする。
その他の機能
Xperia 1はDolby Atmosテクノロジーを搭載しており、多次元の没入型サウンドを実現している。また高解像度オーディオおよびDSEE HXとも互換性がある。
前面と背面には、iPhone XS / XR同様コーニング車の「Gorilla Glass 6」が採用されている。このガラスは非常に丈夫で、またIP65 / 68の防水、防埃機能を持つ。
サイズは167 x 72 x 8.2 mmで、黒、紫、白、グレーのカラーバリエーションが選べる。 OSはAndroid 9 Pieだ。
発売は2019年春頃を予定しているが、価格についての発表はない。