ステディカムは最新の製品である Steadicam Voltをクラウドファンディングのキックスターター(Kickstarter)に登録している。発明者のGarrett Brown氏は「最高のハンドヘルドスタビライザー」であり、「大きなシネマ用のシステムと同じ感覚」と述べている。さてその真偽はどうだろうか?
業界最大手のステディカムが、スマートフォン用の電子式ハンドヘルドスタビライザーを、キックスターターのキャンペーンに登録しているが、反応は上々で、わずか3日で$100K(約1150万円)を集めた。
Steadicam Voltは電子式のスタビライザーで、スマートフォン用に開発されているが、OSMOのようなジンバルとは異なり、モーターを使用していない。Voltのカウンターウエイトシステムは、バッテリー無しでもバランスを保つことができるのだ。
Garrett Brown 氏は Steadicam Voltの特徴は、その“慣性と感覚“だと言っているが、その応答性は本当に感動的だ。下のビデオで、ジンバルとの比較を確認できるだろう。
ただしトレードオフは、スマートフォンにもよるが、使われているCMOSセンサーのローリングシャッター現象が顕著になってしまうことだ。しかしVoltはスポーツモードとムービーモードを選択でき、この問題を解決する事ができる。ムービーモードにしておくと、比較的低速で動作し、オペレーターの操作に対しゆっくりと反応する。
スポーツモード:オペレーターの動作に対して瞬時に反応する
ムービーモード:映画のようなカメラ移動に適している
Steadicam Voltはコンパクトに折りたたむことができ、大きめのポケットなら入れておくことができる。バッテリーは8時間持続し、100g~200gで58~80mm幅のスマートフォンを装着する事ができる。
主な仕様
- 軽量で折りたたみ可能なため、持ち運びに便利
- iOS と Android アプリに対応
- 模擬慣性によるコントロールが可能
- ビギナーにもプロにも対応できるデュアル操作モード
- リチウムイオンバッテリーで長時間の使用が可能
- 100g~200gで58~80mm幅のスマートフォンに対応
- Bluetooth 搭載
- バッテリーが無くてもマニュアルで使用可能
価格:キックスターターでは$139で販売されている。オペレーションの方法を学べるワークショップ付きも用意されている。
Steadicam Voltはおそらく民生用途で使用されることが多いだろう。ポケットのスマートフォンを装着して、気軽に撮影できる。ただし、Voltを一緒の持ち歩く必要はあり、また気軽に使うためには使いやすさと、セットアップの容易さがポイントになるだろう。
業務用としてはどうだろうか?それは、業界がどれほどスマートフォンで撮るカメラマンを使うかということだろう。参照用のちょっとしたビデオや位置情報など、スマートフォンの機能が活かせる用途があれば、その映像を安定させる方法として使用されるかもしれないが。