タムロンは、ソニーEマウントとニコンZマウントのフルフレームミラーレスカメラ用の90mm F2.8 Di III VXDマクロレンズを発表した。このレンズは、真の1:1倍率、VXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)、最短撮影距離0.11mで、対候性にも優れている。
タムロンは、ニコンZマウント用の50-400mmや ソニーEマウント用の28-300mmなどのレンズでラインナップを拡大している。そして今回、90mmマクロレンズシリーズの45周年を記念して、ミラーレスカメラ用の新バージョンを発表する。1979年に始まった「タムキュー」のレガシーを引き継いでいる。
主な特徴
球面収差と色収差を補正するLD(低分散)レンズ4枚を含む12群15枚構成。BBAR-G2(Broad-Band Anti-Reflection Generation 2)コーティングは、ゴーストやフレアを低減し、逆光の状況でも鮮明さとディテールを向上させる。同社によると、このレンズは中心から周辺まで高い解像度を実現し、ソフトなボケ味を特徴としている。APS-Cフォーマットのカメラで使用する場合、35mm換算焦点距離は約135mmで、最小絞りはF2.8となっている。
このレンズはフラットフィールド解像度に補正されており、これは書類やアートワークのような平らな被写体の撮影に適し、エッジのシャープネスが失われやすいクローズアップ撮影では重要だ。レンズは均一な明るさと最小限の歪みで、端から端までクリアで繊細な画像を提供する。
90mm F2.8 Macroは、タムロン初の12枚羽根の円形絞りを導入し、特に1:1から1:4のマクロ倍率で滑らかな円形のボケを作り出す。また、周辺光量落ちを軽減しボケの質を高める。絞り込むと、12枚羽根のスターバースト効果が現れ、キャンドルや街の灯りなど、点光源のあるシーンの撮影に適している。
デザイン
90mm F2.8 Macroは126.5mmと非常にコンパクトで、重さは630g(ソニーEマウント)または640g(ニコンZマウント)だ。また、フィルター操作用のスライド窓を備えたレンズフードが付属しており、フードを取り外すことなくPL、ND、クロススクリーンなどのフィルターを回転させることができる。防湿構造(防滴、重要な部分は密閉)で、レンズにはフッ素コーティングとBBAR-G2コーティングが施されている。
機能のカスタマイズやファームウェアのアップデートは、タムロンのLens Utilityソフトウェアツールを使って行うことができる。タムロンによると、その他の設計要素は以下の通り。
- フィルター径は67mmで、他のミラーレスカメラ用レンズと同じ
- カメラ機能およびタムロンレンズユーティリティ機能を割り当てるためのフォーカスセットボタン
- AF撮影時の高速フォーカシングと被写体への素早いリフォーカシングを可能にするフォーカスリミッタースイッチ
- 正確なMF操作のための精密トルク
- 使いやすさを追求したレンズデザイン
主な仕様
- 焦点距離:90mm
- 明るさ: F2.8
- 最短撮影距離:0.23m
- 最大撮影倍率: 1:1
- フィルター径:67mm
- 重量:630g (ソニー用)、640g (ニコン用)
- 商品番号:A072
- レンズ構成:12群15枚
- 画角:27°2′
- 絞り羽根:12枚
- 最小絞り:F16
- 最大径:79.2mm
- 長さ:126.5mm (ソニー用)、128.5mm (ニコン用)
- 色:ブラック
他の選択肢
ソニーはEマウント専用のFE 90mm F2.8 Macro G OSSレンズを提供しているが、大きな違いは手ブレ補正(OSS-Optical SteadyShot)を搭載している点だ。2本のレンズの特徴は異なり、例えば最短撮影距離はソニーが28cmであるのに対し、タムロンは23.1cmだ。ニーズや機能にもよるが、ソニー製の価格は189,200円であるのに対し、タムロンはかなり安価だ。
価格と発売時期
タムロン90mm F2.8 Di III VXDマクロレンズは両マウントとも現在予約受付中で、価格はソニー Eマウント用が126,500円 、ニコン Z マウント用が134,200円となっている。詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。