TASCAMはキヤノン、富士フイルム、ニコンのミラーレスカメラ用のオーディオXLRマイクアダプター「TASCAM CA-XLR2d」を2021年末までに発売する。このマイクアダプターは2系統のXLR入力、高品位なマイクプリアンプ、マニュアルコントロールを備える。また、デジタルホットシューを搭載したカメラにはケーブルレスのソリューションを、搭載していないカメラにはアナログケーブルのソリューションを用意している。
通常、本格的なビデオカメラとミラーレスカメラを比較した場合、後者の主な欠点は、内蔵NDフィルターとオーディオインターフェースがないことだ。内蔵NDについてはまだ少し待たなければならないが、ミラーレスカメラのオーディオインターフェースの問題は、ホットシューに装着するXLRオーディオアダプターによって、すでに解決されている。
パナソニックやソニーなどのカメラメーカーからも同様の製品が発売されている。実際、筆者はパナソニックのXLRオーディオユニットをLUMIX GH5で何年も使用しており、現在はS1で使用しているが、とても気に入っている。優れたプリアンプ、2つのXLR入力、そして必要なコントロールがすべて物理的なボタンとして利用できる。近日発売予定のTASCAMオーディオXLRアダプターは、キヤノン、富士フイルム、ニコンのミラーレスカメラに対応している。
TASCAM CA-XLR2d オーディオXLRアダプター
TASCAMブランドを展開するティアック株式会社は、先日、オーディオ用XLRアダプターの開発を発表した。開発中のXLRオーディオアダプターは、3種類のモデルがある。
- CA-XLR2d-C(一部のキヤノン製カメラ用)
- CA-XLR2d-F(一部の富士フイルム製カメラ用)
- CA-XLR2d-AN (ニコンカメラ用:アナログインターフェース)
キヤノンと富士フイルムのカメラには、デジタル化されたアクセサリー用ホットシューが装備されているため、高性能なADコンバーターを内蔵することで、デジタル化された音声を劣化させることなくカメラに直接転送することができる。また、ホットシューから音声を転送するだけでなく、アダプターに電源を供給することもできるため、パナソニックやソニーのソリューションでおなじみのケーブルレスシステムを実現できる。
TASCAM CA-XLR2dは、高性能なTASCAM HDDA(High Definition Discrete Architecture)マイクプリアンプを内蔵しており、高音質、低ノイズ、広ダイナミックレンジを実現している(マイク/ラインレベル切り替え、+48Vファンタム電源供給)。
キヤノンのカメラについては、今後発売されるEOS R3や、すでに2系統のXLR入力を備えている新カムコーダー「XF605」にも対応しており、アダプターを装着することで合計4系統のXLR入力を持つことになる。富士フイルムのカメラでは、デジタルホットシューを装備しているX-T4およびX-S10に対応する。
それ以外のカメラ(ニコンや旧型のキヤノン、富士フイルムのカメラ)には、単3形電池2本とコールドシューマウントアダプターがセットになった「CA-XLR2d-AN」がある。このXLRオーディオアダプターは、CA-XLR2dのアナログ出力とカメラのマイクインの間にアナログオーディオケーブルを接続することで機能する。なお、電池ボックス付きのアナログ出力は、すべてのバージョンに付属するようだ。ティアックによると、このアダプターは、ニコンのZ 7II、Z 6II、Z 7、Z 6、Z 5、Z fc、Z 50に対応する。しかし、筆者の理解では、マイク音声入力のあるすべてのカメラに対応できると思われる。アナログ出力には、カメラのマイク入力に音声を転送するカメラモードと、ヘッドフォンで直接モニタリングするヘッドフォンモードの2つのモードがある。
価格と発売時期
あくまでも開発発表なので、当然のことながら価格に関する情報はまだない。しかし、TEACは、オーディオアダプター「CA-XLR2d」を2021年末までに全世界で発売することを明言している。参考までに、パナソニックのオーディオアダプター「DMW-XLR1」は現在398ドル、ソニーのオーディオアダプター「XLR-K3M」は598ドル(ショットガンマイクとのキット)だ。TASCAMの価格は、既存のものとほぼ同じになると思われる。