Tascam DR-10SGレビュー – カメラにマウントできるショットガンマイクレコーダー
Tascamからショットガンマイク一体型のレコーダー、DR-10SGが発売された。ショットガンマイクとポータブルオーディオレコーダーが一体になっており、カメラのマイクジャックに接続して使用する。カメラの内蔵マイクの音質改善を模索していたユーザーには注目の新製品だ。
最近のカメラには、音声のモニター機能が無いモデルもある。DR-10SGのウリは、例えばソニーのα6300のようなヘッドフォンジャックが無いカメラのオーディオモニターを可能にする点だ。なお、プロ用マイクにマイクロXLRコネクタで直接差し込み、マイク一体型のように使えるレコーダー、DR-10Xも発売されている。
DR-10SGの主な仕様
- 記録メディア:microSD(64MB~2GB)、microSDHC(4GB~32GB)
- 記録フォーマット:16/24bit@ 44.1/48 kHz
- 指向特性:超指向性(スーパーカーディオイド)
- アナログ出力:3.5mm(1/8”)ステレオミニジャック(音声出力は DUAL MONO出力)
- USBコネクタ:Micro-Bタイプ 4ピン
- 電源:単4形電池1本 (アルカリ乾電池、ニッケル水素電池またはリチウム乾電池)、USBバスパワー
- 消費電力:0.75W(最大時)
- 電池持続時間:(48 kHz/24-bit, Limiter/ Dual Rec: Off, File type: Mono), リチウム乾電池 15時間, ニッケル水素電池(eneloop) 7.5時間, アルカリ乾電池 8.5時間
- 外形寸法: 53 x 168 x 70.3 mm(W x H x D)
- 質量:110g (電池を含む)、98g (電池を含まず)
優位点
- 軽量でカメラのアクセサリーシューに取り付け可能
- 良好な音質で、機動性に優れ、EQレベルも設定可能
- バッテリー持続時間も十分で、外部電源(USB)も可能
- 異なるレベルで2系統の同時録音を行うことができるデュアル録音機能(ボタンが小さいので、記録中はレベルをいじらない方が良いだろう)
改良が望まれる点
- プラスティッキーな感じで、ハードな取材では心配
- ウインドシールドカバーが付属していない。付属のものでは不十分
- 汎用のiPhone用ヘッドフォンがモニター用に使えない。インピーダンスの不一致と思われる。
- メニュー操作中は記録開始できない。まずメニューから抜け、記録を開始する必要がある。
まとめ
個人的には、指向性がもう少し狭い方が良いと思う。また、マイク自体のノイズはノイズアイソレーションアームで抑えられているのだが、カメラの操作音を拾ってしまうので、カメラやリグを静かに扱う必要がある。更に、DR-10SGは専用のオーディオシステムに置き換えることができない場合がある。
このような幾つかの改善してほしい点はあるが、DR-10SGはカメラの内蔵マイクをグレードアップするには最適のツールだ。