カメラとサウンドレコーダーのタイムコードを同期させる良い方法をお探しではないだろうか? Tentacle Sync Eは、同名のドイツの企業の最新モデルで、そのソリューションを提供してくれる。
最近では、小型カメラの性能向上が目覚ましく、多くのユーザーが日々使用している。しかし、これらのカメラは非常に美しい映像を撮影できる反面、オーディオ機能が限られていたり、音質に不満があったりする場合が多い。内蔵プリアンプでノイズが乗ったり、A/D変換チップの性能が十分でなかったり、あるいは設定が基本的なものしかない場合があるのだ。メーカーは、カメラの画質向上については大いに努力しているのだが、オーディオに関してはなぜかあまり重視されていないように感じる。
外部オーディオ記録
この問題に対する最善の解決策は、映像と音声を別々に記録することだ。カメラとは別の録音機器で録音するので、オーディオ品質は極めて良くなる。しかし別の問題も発生する。
即ち、カメラとオーディオレコーダーを同期させる必要があるのだ。ポストプロダクションで問題が発生しないようにするには、カメラとオーディオレコーダー間のタイミングとフレームの正確さが重要となる。しかし、残念ながら、そのために必要となる専用のタイムコードジェネレーターはハイエンドのオーディオレコーダーにしか内蔵されていない。そこで Tentacle Sync Eが役に立つ。 Tentacle Sync Eは従来のTentacle Syncデバイスをアップグレードした新製品だ。
Tentacle Sync Eの概要
この新しいバージョンは、最新のデザインを取り入れ、非常に小型軽量にできている。大きさは38 x 50 x 15 mmと小さく、重量はわずか30g。従来のものはパソコンでセットアップする必要があったが、この新しい Tentacle Sync EにはBluetoothが組み込まれており、iOSやAndroidスマートフォンアプリを使用してワイヤレスでタイムコードを設定したりモニターしたりすることができる。
Tentacle Sync Eをカメラのマイク入力に接続すると、カメラの内蔵マイクが無効になるが、 Tentacle Sync E自体にマイクが内蔵されており、ステレオオーディオを録音することができる。 この機能により、従来のものより音質がかなり改善されている。また、タイムコードは別のトラックで伝送される。
Tentacle Sync Eにはバッテリーが内蔵されており、最大35時間の連続使用が可能。バッテリーはユーザーが交換可能だが、USB-Cでの充電もできる。更にロック式の“tentacle clamp”があり、3.5mm出力ソケットのジャックをしっかりと固定することができる。
使い方
すべてのユニットをBluetoothで接続したら、アプリ内から各デバイスに名前を付けることができる。さらに、付属の色分けされたラバーストラップを本体に巻き付け、ユニットを色で識別することができる。また、任意のユニットをマスタークロックとして設定することができる他、外部のタイムコードに同期させることもできる。すべての設定が完了したら、スマートフォンの画面で、バッテリーレベル、タイムコードの精度、あるいは各設定を確認できる。
撮影終了後は、付属のTentacle Sync Studioソフトウェアにすべてのファイルをロードする。すべてのクリップが自動的に同期され、EDL、XML、またはAAFフォーマットでエクスポートできるので、これをNLEにインポートし編集に使用できる。残念ながら、このソフトウェアはMacOSでしかサポートされていないが、Windowsユーザーはオーディオタイムコードを読み込んでファイル変換する付属のTentacle Syncアプリケーションで変換することができるので、Windows NLEを使用していても記録されたすべてのクリップを同期させることができる。
主な特長
Tentacle Sync Eは、小型ながらかなり豊富な機能を持っている。以下がその主な特長。
- 24時間で1フレーム未満の高い精度
- 改良された高品質の内蔵マイク
- 切り替え可能なマイク/ライン出力
- SMPTE-12M規格に準拠したLTCタイムコードを使用
- SMPTEタイムコードレート:23.98, 24, 25, 29.97, 29.97DF, 30FPSをサポート
- 背面のフックにより簡単に取り付け可能
- 超小型(38 x 50 x 15 mm)で軽量(30g)
Tentacle Sync Eは、1個、あるいは2個セットで購入することができる。各ユニットには、Tentacle Sync Studioがバンドルされている。
link: tentaclesync.com