Ace 500 HDMIワイヤレスビデオトランスミッターとレシーバーセットは、Teradekの最新のエントリーレベルワイヤレスキットで、到達範囲は152メートル。価格は899ドルで、Bolt 500 LT HDMI(1,200ドル)よりも300ドル安価だ。今回は、このAce 500 HDMIワイヤレスビデオトランスミッターとレシーバーをレビューする。
今回のレビューはカリフォルニアとノースカロライナでの14日間の撮影日程で、ACE 500 duoを使ってみた。比較として、Bolt 703とFOCUS Bolt 500 RXモニターも使用した。統合されたBoltモニターとBolt 500 XT / LTシリーズのいずれもACE 500と互換性がある。
ファーストインプレッション
ACE 500 HDMI TX / RXを手に取ってすぐに分かることは、Bolt LT / XTシリーズのようなアルミニウム製ではないということ。これだけ見ても、ACE 500はレンタルでの使用には耐えられないだろう。レンタル用には、堅牢なBoltシリーズが向いている。もちろん、個人で所有してそれほどハードに扱わないなら、ACE 500でも問題ない。
HDMIコネクターはSDI / BNCコネクターほど堅牢ではないが、ほぼすべてのカメラにHDMI出力が搭載されているため、比較的安価なカメラで使うならHDMIの方が汎用性がある。付属のHDMIケーブルは丈夫なもので、しっかりフィットする。しかしHDMIのロック用アクセサリーがあれば安心だ。
ACE 500とBoltモニターをペアリングするのは分かりやすく、すぐにできる。今回はマニュアルを見ることなく、ペアリングするのに約3分かかった。一度ペアリングが完了したら、バッテリー交換やトランスミッターを他のカメラに移しても、再接続する必要はない。たとえば、モニターのバッテリーを交換する必要がある場合は、モニターの電源を入れると、15秒程度で自動的に再接続される。
ACE 500 HDMI TX / RXキットには、次のものが同梱されている。
- Ace 500トランスミッター
- 18インチ超薄型HDMIケーブル
- Dタップ電源ケーブル
- Ace 500レシーバー
- ミニUSB – USBケーブル
- 18インチ超薄型HDMIケーブル
- AC電源ケーブル
到達範囲
キヤノン C300とFOCUS Bolt 500 RXで撮影しながら、500フィート(約152m)の範囲でテストした。謳われている500フィートは微妙なポイントだ。500フィート付近で信号を失う前、または遅延が発生する前に、モニターの画像がゆっくりと細かく分割され始める。警告が表示されるが、信号が表示されなくなることはない。最近のTeradek製品のほとんどは「ゼロ遅延」が謳われており、ワイヤレスフォーカスも遅延することはない。ただし、そのような状況では、7インチのフルHDモニターが見やすいだろう。これについては後で詳しく説明する。
屋内での撮影では、トランスミッターとモニターが障害物を挟んでも、全く影響されることはなかった。歴史的な建物のように壁が厚いと問題になるかもしれないが、サウンドステージや現代の建物では問題ない。
今回のテストでは、熱気球にも乗せてみたが、これも問題なく使用できた。
電源
個人的には、カメラとそれに接続されているアクセサリーに電力を供給する場合、Dタップケーブルを使用することが多いが、オプションのソニーLシリーズ、BP-U、BP-9あるいはキヤノン LP-E6プレートで送信機と受信機に電力を供給することもできる。 Dタップで供給する場合には、片方の端にDタップを、もう片方の端に1 xバレル(7〜17 VDC)ケーブルが必要だが、バレルコネクターはロッキングRemoコネクターほど堅牢ではない。おそらくコストを節約するためだろうが多少注意が必要だ。
FOCUS Bolt 500 RXについて
FOCUS Bolt 500 RXモニターはACE 500システムとうまく機能する。コスト重視なら、FOCUS Bolt 500 RXとACE 500の組み合わせは非常に理にかなっている。 ACE 500トランスミッターが495ドル、FOCUS Bolt 500 RXキットが1,499ドルなので、ワイヤレスビデオシステムが2,000ドル前後で手に入る。
しかしこのモニターについての評価は微妙だ。このモニターは5インチで、7インチのBolt 703と同様のハンドルを装備しているのは良いのだが、解像度は720pで明るさは800 nitに留まる。ちなみに、Bolt703モニターはフルHDで、実に3000nitの明るさだ。しかしBolt 703はFOCUS Bolt 500 RXの2倍の価格だ。
持ち運びに関しては5インチなのでとても便利だ。ブームオペレーターフレームラインを監視するのにも役に立った。 Lバッテリーを装着した状態で約450グラムの重さで、機動性が求められる撮影に最適だ。
筆者にとってFOCUS Bolt 500 RXの欠点は、Lバッテリーを使用すること。 Lバッテリーは最も一般的に使用されているバッテリーだが、筆者は主にキヤノンBPかLP-E6を使っている。なお、Vマウントとゴールドマウントのパワープレートも用意されているので、これを使うこともできる。
FOCUS Bolt 500 RXは、フォーカシングやDP用のモニターではない。このような用途には、Bolt 703やCine 7といったフルHD解像度で、明るく、画面サイズの大きなモニターが必要だ。
TeradekとSmallHDは同系列の会社なので、素晴らしい製品コラボレーションを実現している。これはAppleの製品にも通じるもので、その利点は同社のすべてのハードウェアにおけるシームレスな相互通信だ。カメラやその周辺機器がこのような環境であれば嬉しいのだが。
最後に
ワイヤレスビデオを初めて使うのなら、ACE 500キットはお勧めできる製品だ。Bolt SmallHDモニターとの使用も全く問題ない。そしてその価格は特に魅力的だ。
長所
- Bolt 500 LT HDMIバージョンより数百ドル安価
- 約152mの到達距離
- D-Tapでの電源供給
- Bolt 500、XT、LT、およびSmallHDモニターとの互換性
短所
- Bolt 500 LTに比べ堅牢性が劣る
- Lemoコネクターが搭載されていない