International Cinematographers Guild Local 600は、車内でカメラマンが撮影する場合、エアバッグが潜在的な危険性としてどのように作用する可能性があるかに関する広範なテストを終了した。
カメラオマンにとって、この内容は極めて身近なものだ。運転中の車内のシーンを撮影することは多々ある。オーバーショルダーショットや前方の風景、あるいはドライバーのクローズアップなどだ。私もちょうど数週間前にそれを行ったところだ。
エアバッグが凶器となる
現実的には、撮影するために、通常ではありえない状況でクルマに乗るだろう。もちろん、エアバッグの設計はそのような状態で乗車していることは念頭に置かれていない。エアバッグが正常に機能するためには、ベルトで体を固定して正しい位置に着座していなければならない。
下のビデオで、カメラマン、カメラ、そして車に乗っている他の乗員に何が起こるかを知ることができる。
この問題は、関係者の意識の欠乏にある。誰も事故を予想して車に乗り込まない。しかし、もし事故が起こるかもと思うなら、だれも後ろ向きに座って、エアバッグが広くところに首を据え、肩に重いカメラを担ごうとは思わないだろう。しかし、撮影となるとやってしまうのだ。それはほんの数ショットなので、わずか10分程度だ。もう1つの側面は、車内の全員は撮影に集中しており、運転に気を配っていないため、事故の可能性が高くなることだ。
エアバッグの実際
- エアバッグは、20分の1秒以内に200 MPHに匹敵する速度で開くので、それに反応する時間はない
- 事故自体が最も大きな影響を与えるが、エアバッグの展開も危険を伴う
- ほとんどの車両には、シートに重量センサーが搭載されており、エアバッグの展開にどれくらいの力が必要かを判断している。したがって、肩にカメラを担いで座ると、体重が増えたことになり、必要以上に大きな力でエアバッグが展開される
- カメラなど車両に固定されていないものは、展開するエアバッグによって弾き飛ばされる。カメラはカメラマンの頭部に200 MPHの速度で衝突する
全リストは、ICG Local 600のWebサイトで見ることができる。
対策はあるか?
これは、映像撮影にかかわるスタッフ共通の問題だと考えられる。誰もこのような目には遭いたくない。しかし、現実は全く逆だ。芸術のためのショットであれば、皆我を忘れてしまう。カメラマンやスタッフの多くはフリーランスであるため、顧客の要求を満たすためにベストを尽くそうという空気になるのだ。リスクはその目標の達成のためには、受け入れざるを得ないのだ。完璧なショットのためには、エアバッグを恐れることなかれ、だ。
冷静に考えてみよう。どのような選択肢があるだろうか?今後、車内での撮影はやめるべきだろうか。(ICG Local 600はこれを推奨している) それとも、リスクには目をつむって、シートベルト無しに今まで通り撮影するか?危険な作業環境を認識し、安全に配慮し、かつ良い仕事をする必要がある。結局のところ、何らかの解決策を見つけることは、映像制作者にとっても必要なことなのだ。
ICG Local 600は、セーフティアプリで、車内での撮影で危険と思われることをレポートして欲しいとしている。(米国のみ)
リンク:icg600.com