ラスベガスのストリップにある新しい完全没入型エンターテイメント施設「スフィア」のディスプレイは、IMAXやジャイアントスクリーン3Dの要件を凌ぐものだ。幅516フィート、高さ366フィートの球体の建物には、ラップアラウンドデザインが施されている。16k×16kの精細さは、地球上で最も高解像度のLEDスクリーンとなる。そして、ネイティブ映像を撮影できる新しいカメラ、スフィアのビッグスカイカメラが登場した。
このカメラは、カリフォルニア州バーバンクのスフィアスタジオで自社開発されたBig Skyと呼ばれるもので、市販のシングルセンサーの中で最も広範囲なものを搭載している。スフィアによると、同様の性能を実現するには10~15台のシネマカメラが必要だという。
スフィアのBig Skyの大きなスペック
スフィアのBig Skyカメラのセンサーは316メガピクセルで、横3インチ×縦3インチの正方形フォーマットで、ネイティブHDRに対応している。性能は、現在の4Kカメラと比較して40倍の解像度アップが可能だ。18Kのスクエアフォーマットで最大120フレーム/秒の撮影が可能で、低解像度ではより高速なフレームレートを実現する。スフィアは、近接距離の制限やポストプロダクションの時間など、カメラアレイのステッチングの問題を回避している。
スフィアスタジオはまた、非圧縮の60fpsのRAW映像を30GB/秒または120fpsの50GB/秒でカスタム32TBメディアマグに管理する画像処理ソフトウェアを開発した。ネットワークのスループットは、600GB/sに対応できる。
このようなセンサーに対応するレンズについては、すでにいくつかの焦点距離があり、特に水中撮影のようなさまざまなスタイルに対応するレンズが開発中だ。特に水中撮影など、さまざまなスタイルに対応できるよう、大きな1枚のレンズでセンサーをカバーする設計になっている。
スフィアスタジオ
バーバンクのSphere Studiosは、28,000平方フィート、高さ100フィートのカスタムジオデシックドームを持つミニSphereのようだ。その大きさは、ラスベガスの「ビッグ・ドーム」の4分の1。ビッグドームと呼ばれるこの施設は、ポストプロダクション、上映会、触覚シート、没入型サウンド、映像のテスト用として使用さ れている。
68,000平方フィートの敷地内には、より多くの開発、制作スペース、そして空間オーディオをミキシングするための独立したサウンドステージが用意されている。
The Sphereで行われること
The Sphereは今年9月にオープンし、音楽(U2はすでに25日間のレジデンスを予約済み)からスポーツ、Eスポーツ、オリジナル番組まで、最大2万人の観客が楽しめるようになる。会場初のコンテンツ「Postcards From Earth」は、多感覚のストーリーテリングの旅として、スフィアのために制作された。60分のフィルムは現在制作中で、10月6日に初公開さ れる。