シグマは、C(Contemporary)シリーズに、24mm、35mm、65mm の3本の新しい写真用レンズを追加した。これらは「Iシリーズ」と銘打たれ、”所有する喜び”という新たな価値を提案したとしている。“I”は「個」を表すIdentityに由来する。Lマウント(ライカ、シグマ、パナソニック)およびソニーEマウントに対応している。
3本のレンズはオールアルミニウム構造でコンパクトかつ軽量設計。バヨネットマウントは耐久性のある真ちゅう製で、内部構造には金属も使用されている。
デザインは少しレトロな感じがする。特にリブやローレットのレンズフードは独特のデザインだ。
レンズキャップも金属製で、レンズ前面に磁石で固定される。オプションのレンズキャップホルダーCH-11は、レンズを使用中にレンズキャップを保持するホルダーで、いちいちポケットやバッグにしまい込む必要がない。これも新しい撮影スタイルの小さな提案だ。
これら3本のレンズは内部焦点構造のため、フロントレンズは固定されており、回転したり、レンズ長が変化することはない。これにより、フロントフィルターが使いやすくなっている。
24mm F3.5 DG DN
大きさは64mm×48.8mmで重量は225gと、かなり小型軽量にできている。レンズ構成は、8群10枚で、3枚の非球面レンズ、1枚のSDLガラスが含まれている。絞りは9枚羽根で、f3.5から最大f22まで可変できる絞りリングを備えている。フィルター径は55mm。
注:SDLはシグマのブランド名で、特殊低分散ガラスの意味。光がレンズを通過する際の光学収差を最小限に抑える。
このレンズは高い解像力と、ほぼ円形の心地よいハイライトボケが期待できる。
レンズにはフォーカスモードスイッチがあり、DMFとAF + MF(ソニーEのみ)をサポートしている。ステッピングモーターは高速オートフォーカスに対応している。 24mm(84.1°の視野角)でわずか10.8cm(1:2の倍率)の最短合焦距離となっている。
また、24mm F3.5 DG DNには花形フード、磁気フロントキャップ、リアキャップが付属している。
35mm F2 DG DN
このレンズは、1枚のSLDレンズと3枚の非球面レンズを備えた9群10枚で構成されている。 9枚の絞り羽根を持ち、絞りリングでf2からf22まで可変できる。 フィルター径は58mm。また、内部焦点構造で、最短合焦距離は27cm。
サイズは70mm×65.4mm、重さは325gで、24mmよりも少し重くて大きいが、フルフレームレンズであることを考えると非常にコンパクトなレンズと言える。
フルフレームの35mmは、ポートレートやルポルタージュ写真に適した焦点距離だ。シグマの光学品質で作られたこの焦点距離のレンズは、ストリートフォトグラファーの理想的なレンズになるだろう。特に、レトロな外観とその金属の触覚は、撮影する心を掻き立てる。
35mm F2 DG DNには、レンズフード、マグネット式フロントキャップ、リアキャップが付属している。
65mm F2 DG DN
3本目のレンズは、視野角が36.8°の64mmレンズだ。 9群12枚のレンズ構成で、1枚のSDLレンズと2枚の非球面レンズが含まれ、9枚の絞り羽根でf2からf22まで可変できる。
大きさは72mm×74.7mm、重さは405gと、3本のレンズの中ではもっとも大きく重い。ただし、同様の仕様の他のレンズと比較すると軽量だ。
65mm F2 DG DNはマクロではないので、65mmは筆者には少し微妙な焦点距離だ。しかし、筆者はAPS-Cで撮影しているので、フルフレームの撮影では65mmが適している。ポートレートや風景写真に便利な焦点距離だ。
65mm F2 DG DNには、レンズフード、マグネット式フロントキャップ、リアキャップが付属する。
まとめ
これら3本の焦点距離は、フルサイズでプライムレンズを使用する写真撮影の多くをカバーしている。もっとも将来的には更に広角と更に望遠が必要となるだろう。
マニュアルフォーカスモードの場合、フォーカスリングが直結か、あるいはハードストップがあるかは不明だ。 ただリングにはフォーカスマーキングがないので、電子制御のように思われる。フォーカスモーターの追従性によるが、金属製レンズを手動でフォーカスするのは楽しいだろう。
シグマのサイトはこちら。