キヤノンのR5とR6は、8K RAWと4Kという驚異的な撮影解像度を実現した。しかし残念なことに、どちらのカメラも長時間の撮影ではオーバーヒートする。解決策としては、アイスパックの使用、内部ヒートシンクの交換、雪の中での撮影などがある。しかし、Tiltaは、Tiltaing Cooling Systemをキヤノンの両カメラに提供することにした。
約1年前にTiltaのEOS R5用クーリングシステムの発表を取材したとき、それは製品というよりもエイプリルフールのジョークのように聞こえた。しかし、解決策を持っているユーザーには朗報だった。今回発売された、USB-C電源のTiltaing Cooling Systemは、R5だけでなくR6もカバーするようになった。他にもいくつかの変更が加えられている。この製品はまだ応急処置のように見えるが、より高いフレームレートでより長い撮影時間を可能にすることができる。
変更点
R5およびR6用のティルタイング・クーリング・システムは、6層構造のデザインと7枚のブレードファンは健在だ。しかし、回転数を当初の6200RPMから最大5000RPMに下げている。これは、最大30デシベルとされるファンの騒音を低減するために行われたものと思われる。30デシベルは、ささやき声に相当する。なお、本機にはRun/Stopケーブル用のEXTポートが搭載されている。
このクーリングシステムは、TiltaのCanon R5/R6ケージに取り付けることができるが、ARCAマウントに取り付けた多関節ヒンジに取り付けることもできる。これにより、冷却ユニットをフリップダウンしてフリップアウトスクリーンを閉じることができる。また、ファンの速度はHighとLow の2つのモードがある。Tiltaは、Highモードのピーク時には5000RPM、30dBAになるとしている。
ファンで冷却
この冷却システムはコンピュータのCPUのようなものだ。CPUの上には、大きなファンとヒートシンクがある。CPUからヒートシンクに熱が放射され、ファンがその熱を逃がす。Tiltaing Cooling Systemも同じ原理で、Canon R5/R6のマザーボードがカメラ本体に熱を放射し、ファンは熱を逃がす。これにより、カメラがシャットダウンしない程度の熱を素早く放出することができる。
その他の解決策
カメラの電源を頻繁に切ることをお勧めする。また、雪の多い地域での撮影なら条件的には有利だ。また、Kolari Visionという会社が解決策を提供しているが、この記事の時点ではR5にしか対応していない。残念ながら、新しい改良型ヒートシンクをマザーボードに取り付けるためには、カメラを分解しなければならない。同社はいくつかのテストを行い、その結果は有望であるとしているが、一部のCF Expressカードがこの改造に影響を与える可能性があるとも述べている。
必要性
もしR5やR6で8K RAWや高フレームレートで撮影したいのであれば、おそらく答えは「イエス」だろう。長時間の撮影にどのようなメリットがあるかはまだわからないが、価格的には165ドルと手ごろではある。Tiltaing Cooling Systemは、次善の策としてカメラ内部の改造に2倍の費用がかかることを考えれば、安価ではある。残念ながら、R5とR6には恒久的な解決策がないかもしれない。ティルタの製品は、まだ応急処置の範囲かもしれない。
「Tiltaing Cooling System for the Canon R5 and R6」は、Tiltaのサイトで購入できる。