シグマが2本の65mmシネレンズを開発 – シグマへのインタビュー
シグマは、1本だけでなく2本の65mmシネプライムレンズの開発を発表した。SIGMA 65mm T1.5 FF High Speed Prime と SIGMA 65mm T2.5 Classic Primeだ。両レンズとも、既存のシネプライムレンズ(High SpeedとClassic)を補完するもので、発売は少し先になる予定。
シグマでプロダクトプランナー兼マネージャーを務める若松氏に、インタビューする機会を得た。シネマ用レンズも含め、様々な製品カテゴリーのロードマップを作成されている同氏に、今回は一見似ているようでいて、実は全く異なる特徴を持つシネプライムレンズ2本についてお話を伺った。
なおシグマの新社屋について、CEOの山木和人氏に伺ったインタビューは、こちら。
これらの新しいレンズの興味深い点は、65mmという焦点距離が、シグマ Artシリーズの既存のレンズを再設計した「だけ」ではなく、ゼロから開発された最初のレンズであるということだ。しかし、この新しいレンズは、既存のライン(FF High SpeedやFF Classicのライン)に完全に適合している
SIGMA 65mm T1.5 FF High-Speed Prime
FF High Speed Primeは現在10本あり、今回発売する65mm T1.5は11本目のレンズとなる。前述したように、65mmという焦点距離は、シリーズで初めて写真用に対応するレンズが存在しない。つまり、これはシグマ65mm F2 DG DN Contemporaryの焼き直しではない。
FF High-Speed Primeシリーズの他のシネレンズと同様に、65mmレンズはキヤノンEF、PL(Cooke /iレンズデータ対応)、ソニーEの3種類のレンズマウントで提供される。
65mmのプライムレンズは、開放値もT1.5と明るい。クラシックレンズとの違いは、使用するコーティングのみだ。そのため、より正確なルック、あるいはよりドリーミーでおそらく少しヴィンテージなルックなど、どちらのルック&フィールがプロジェクトに最も適しているかを選択することができる。そのためには、Classicのラインナップをよく見ておく必要がある。
SIGMA 65mm T2.5 FF Classic Prime
まず最初に、SIGMA FF Classic Prime Lineのレンズを個別に購入することができるようになったようだ。つまり、11本のレンズセットを一度に購入する必要はなく、好きなレンズを選んで購入できるようになった。現在、10本セットで43,999ドルで販売されているので、これは嬉しいニュースだ。
光の透過率という点では、Classic Primeレンズは(コーティングが異なるため)若干暗くなるが、実際にはHigh-Speedバリアントと同じ開口部だ。このため、このクラシックレンズのボケ味は明るい姉妹レンズと同じだが、コーティングが異なるため、センサーに当たる光がわずかに少なくなっている。
このレンズは、クラシックレンズとハイスピード65mmレンズが同じ光学設計であるため、フォーカスブリージングはどちらのレンズでも同様に制御されている。
以下は公式仕様のリスト。
- レンズマウント PLマウント(i/Technology対応)
- イメージサークル FF φ43.3 mm
- フロント径:φ95mm/3.
- 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
富士フイルムカメラ用18-50mm f/2.8 DC DN
誰もが本格的なシネレンズを使うわけではないので、このインタビューの中でもう一つの発表が興味を引くかもしれない。SIGMAは今年後半にもう1本、今度は富士フイルムカメラ用のズームレンズをリリースする。SIGMA 18-50mm F2.8 DC DNは、富士フイルムカメラユーザーにとって非常に汎用性が高く、明るいオールラウンドズームレンズになると思われる。
そして最後に、若松氏は同社独自のカメラシステムであるSIGMA fpとfp Lについて、発売以来、ファームウェアのアップグレードによって数々の改良と機能追加が行われてきたことを話してくれた。こちらの記事も参照いただきたい。
現在、同社はこれらのカメラをさらに改善するための新しいファームウェアバージョンの開発を進めている。このファームウェアのアップデートがいつリリースされるかはまだ不明だが、同社は常に製品を改善するために取り組んでいる。
Link: SIGMA website
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