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マイクロフォーサーズ超広角レンズ バイヤーズガイド

マイクロフォーサーズ超広角レンズ バイヤーズガイド

マイクロフォーサーズ(以下MFT)マウントカメラ用のネイティブ超広角レンズを探している場合は、この記事が役に立つだろう。ここでは焦点距離が12mm(フルフレーム換算で24mm)未満のオートフォーカスズームから完全マニュアルの10種類の超広角レンズをピックアップした。

私はこの記事を書くにあたり、非常に多くのユーザーと話し、お勧めのMFT超広角レンズと、その理由について調査した。 MFTシステムは現在、パナソニックのGHシリーズを中心にビデオ用途にも多く使用されている。ブラックマジックデザインも、2018年9月に出荷予定の Pocket Cinema Camera 4kでMFTを採用した。また、DJIはInspire 2ドローン用のZenmuse X5SカメラでMFTを使用している。

多くのMFTカメラユーザーは、Speed Boosterを介してキヤノンEFマウントレンズなどを使用している。今回ネイティブMFTレンズを特集したのは、Speed Boosterに比べていくつかの利点があるからだ。例えば、ネイティブMFTレンズなら小型軽量で、通常はより明るく信頼性の高いオートフォーカスを期待できる。また、Speed Boosterを購入する費用を避け、ネイティブのMFTレンズを主に使用している映像制作者も多い。

超広角レンズの有用性

焦点距離が24mm(35mm相当)未満のレンズは一般的に超広角レンズのカテゴリーに入る。そこで今回の記事では、12mm(35mm換算で24mm、2倍のクロップファクター)未満の焦点距離を持つネイティブMFTレンズのみを選択した。なお、魚眼レンズは含まない。

Interior example with the Panasonic 7-14mm f/4 @ 7mm. Credit: Jakub Han

超広角レンズは、建物やインテリア、風景、航空写真、さらにはワイドな背景での特殊なクローズアップといった撮影に適している。

非常に大きなクロップファクターを持つカメラを使用する場合も、超広角レンズを使用する場合がある。たとえば、第1世代のBlackmagic Pocket Cinema Cameraは、super 16mmセンサーを搭載しており、2.88倍のクロップファクターとなる。また、Panasonic GH4の4Kモードでは、2.3倍だ。 Blackmagic Pocket Cinema Camera 4KでもフルHDでスローモーションを記録する場合は、4倍のクロップファクターとなる。

Exterior example with the Laowa 7.5mm f/2. Credit: Jakub Han

基本的に、MFT超広角レンズには2つのカテゴリーがある。ひとつは、オートフォーカスズームレンズと、もう一つは完全マニュアルプライム(固定焦点距離)レンズ。平均して、オートフォーカスズームレンズはより高価だ。私の考えでは、ビデオ撮影での超広角オートフォーカスレンズはそれほど重要ではない。被写界深度は通常かなり深く、無限遠に焦点を合わせ、2mほど離れると、ほとんどの場合すべてにフォーカスが合う。従って、私は通常マニュアルで絞りとフォーカスをコントロールする。ただし写真撮影では、オートフォーカスは便利かもしれない。

オートフォーカス超広角ズーム

まず、オートフォーカスズームレンズを紹介しよう。現在購入できるのは4本しかない。最も安価なものからリストアップする。

オリンパスM.Zuiko Digital ED 9-18mm f/4-5.6

このレンズの特長は、そのコンパクトさと、フィルター用スレッドがあること。オートフォーカス超広角レンズの中でも最も小さく軽量な部類に入る。弱点は、f / 4-5.6と比較的暗く、ズーム域が変わると明るさが変化することが上げられる。

  • 絞り:f / 4〜f / 22
  • フィルター径:52mm
  • 寸法:56.5×49.5mm
  • 重量: 155g
  • 価格:$ 599.00(¥49,800:Amazon

パナソニックLumix G Vario 7-14mm f/4

私はこのレンズをGH4で数年間使用した。ズーム域にかかわらず、f / 4の一定の明るさを持つ。これは良いのだが、暗い環境では多少使いにくい。 しかしf / 4なので、ほとんどの場合、問題なく使える。欠点は、フィルタースレッドがないことだが、サードパーティーのソリューションがある。PVGearから86mmフィルターアダプター(15,726円:Amazon)が発売されており、レンズの外側に装着することができる。

  • 絞り:f / 4〜f / 22
  • フィルター径:フィルタースレッド無し
  • 寸法:75×83.1mm
  • 重量: 301g
  • 価格:$ 797.99(79,630円:Amazon

パナソニックLeica DG Vario-Elmarit 8-18mm f/2.8-4

このレンズは、パナソニックの最新の超広角レンズだ。先のLumix G Vario 7-14mm f/4ほど広角ではないが、よりズーム域が広くf / 2.8と、より明るいレンズとなっている。寸法と重量は7-14mmとほぼ同じ。長所は、67mmのフロントフィルタースレッドが付けられたこと。カメラボディ同様の防塵、凍結防止構造となっている。

  • 絞り:f / 2.8〜f / 22
  • フィルター径:67mm
  • •寸法: 73.4×88mm
  • •重量: 315g
  • •価格:$ 1,097.99(109,921円:Amazon

オリンパスM.Zuiko Digital ED 7-14mm f/2.8 PRO

このレンズは、4本のズームのうち最大で重く、高価なレンズだ。主な特長は、f / 2.8の一定のf値と、優れた耐候性。レンズにはプログラム可能なL-Fn機能ボタンも付いている。欠点は、フロントフィルタスレッドが無いこと。なお、このレンズにもサードパーティ製のオプションがある。(Webサイトはこちら

  • 絞り:f / 2.8〜f / 22
  • フィルター径:フィルタースレッド無し
  • 寸法: 78.9×105.8mm
  • 重量: 534 g
  • 価格:$ 1,299.00(124.929円:Amazon

マニュアル単焦点超広角レンズ

このカテゴリーには6本が該当する。同様に価格順にリストアップする。

SLR Magic 8mm f/4

これは、超広角MFTレンズで最も安価な選択肢となる。Cinema5Dでは、昨年レビューしている。(記事はこちら:英語)このレンズは超小型軽量で、マニュアルフォーカスリングにはつまみが付いている。光学的性能はその価格に見合ったものと言わざるを得ない。 f / 4では、コーナーはそれほどシャープではないが、f / 8では良くなる。特筆できるのは、10cmの最短合焦距離。開口部はf / 16まで。また絞りリングはクリックレス仕様となっている。

  • 絞り:f / 4〜f / 16
  • •フィルター径:43mm(アダプター52mm付属)
  • •寸法: 46.1×41.4mm
  • •重量: 110g
  • •価格:$ 199.00(¥27,900:Amazon

Rokinon (Samyang) 10mm f/2.8

このレンズは、米国ではRokinonブランド、欧州と日本ではSamyangブランドで販売されている。今回ピックアップした単焦点レンズでは最も重い。 10mmはそれほど広角ではないが、f / 2.8とかなり明るい。フィルタースレッドは無い。なお、このレンズは、ソニーEマウントとキヤノンEFマウントのAPS-Cサイズセンサーカメラ用にも販売されている。つまり、Speed Boosterと組み合わせて、より広角を得ることができる。このレンズは、ギアリングとクリックレスの絞りリングを備えた映画仕様も選択できる。

  • 絞り:f / 2.8〜f / 22
  • •フィルタ径:フィルタースレッドなし
  • •寸法: 86×104mm
  • •重量: 620 g
  • •価格:$ 429.00(¥47,500:Amazon

Venus Optics Laowa 7.5mm f/2

私は現在、このレンズを所有しており、パナソニックGH5で使用している。個人的に好きなMFTの超広角レンズだ。鮮明度は実に良く、f / 2と明るい。このレンズは非常に小さく、軽量で、アルミ製レンズフードを取り外して46mmのフロントフィルターネジを露出させることができる。(レビューはこちら)。 Venus Optics社もこのレンズの軽量版を製造しており、20g軽く、 20ドル高い。ドローンでの使用(Zenmuse X5S)を想定している。

  • 絞り:f / 2〜f / 22
  • フィルター径:46mm
  • 寸法: 50×55mm
  • 重量: 170 g(軽量バージョン: 150 g)
  • 価格:$ 499.00(¥63,039:Amazon) 軽量バージョン:$ 519.00(¥63,909:Amazon

SLR Magic 10mm T2.1 Hyperprime Cine Lens

今回取り上げた中で、唯一の映画仕様のレンズ。 SLR Magicによれば、エッジとコーナーの歪みが小さいとのこと。フォーカスリングと絞りリングの両方にギアが付いている。絞り(IRIS)リングはクリックレスで、フロントフィルターネジも設けられている。

  • 絞り:T2.1〜T16
  • フィルター径:77mm
  • 寸法: 7.95cm
  • 重量: 420 g
  • 価格:$ 519.00(¥109,807:Amazon

Kowa PROMINAR MFT 8.5mm f/2.8

Kowa 8.5mmレンズは、9枚の絞り羽根、17枚のレンズ構成で、20cmの最短合焦距離の仕様を持つ。絞りリングはサイレントとクリックストップの切り替えが可能で、本体はアルミ製。

  • 絞り:f / 2.8〜f / 16
  • フィル径:86mm(レンズフード経由)
  • 寸法: 71.5×86.8mm
  • 重量: 440 g
  • 価格:$ 880.00(¥70,710:Amazon

Voigtlander Nokton 10.5mm f/0.95

このレンズは、非常に明るいVoigtlander MFTのラインナップのひとつ。クリックレスの絞りリングを備えており、シームレスな絞りの調整ができる。10ブレードの絞り羽根で丸いボケを作り出す。このレンズは全金属製なので、かなり重量がある。

  • 絞り:f / 0.95〜f / 16
  • フィルター径:72mm
  • 寸法:77×82.4mm
  • 重量: 586 g
  • 価格:$ 1,099.00(¥162,156:Amazon

まとめ

この記事で取り上げたレンズのスペック比較表を作成したので、参考いただきたい。

オートフォーカスズームレンズで私のお勧めは、パナソニック Leica DG 8-18mmだ。これは、オリンパス7-14mm PROほど高価ではなく、より広いズーム域を持ちf / 2.8と明るい。また、高い耐候性も持っている。絞りは全ズーム範囲で一定ではないが、自分の場合では、超広角レンズでは90%が最広角近くで撮るので大きな問題ではない。フィルタースレッドがあるのも便利だ。

マニュアルレンズのお勧めはLaowa 7.5mm f / 2だ。このレンズは非常に明るく、かつ小型で軽量で、フィルタスレッドも切られている。またそれほど高価ではない。しかし、Voigtlanderも捨てがたいレンズだ。残念ながら、私はそれをテストする機会が無かったので、f / 0.95という明るさの実感は分からない。 SLR MagicのCine 10mmも、スペックから判断すると悪くはない。これも使って見たいレンズの一つだ。

カメラにNDフィルターは内蔵されていないので、晴れた日には、NDフィルターを装着しなければならない。超広角レンズにNDフィルターなどのフィルターを取り付けると、ケラレが起きやすくなるので注意したい。可能な限りレンズの近くに大きなフィルターを取り付けることをお勧めする。例えば私はLaowa 7.5mmレンズに2枚のフラットアダプター(46〜58mmと58〜77mm)を使用して、2枚の77mm NDフィルターを使用している。こうすれば、ケラレは起こらない。

 

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