Vision Researchは、新しい「エントリーレベル」の高速度カメラ:Phantom VEO 610をリリースした。このカメラはHD 720p @ 7420フレーム/秒、320 x 12で最大フレームレート218.970fpsで撮影することができる。
Vision Researchは、非常に高いフレームレートで撮影できるカメラを製造していることで有名。1月にはDCI 4Kで最大937フレーム/秒の撮影が可能な「Phantom S991」を発売している。
Phantom VEOのラインアップは、Vision Researchの高速度撮影の世界への「入門機」だ。Phantom VEOカメラはより低い解像度で記録し、スタジオでの使用を想定している。
特徴
最新のPhantom VEO 610は、2年前に発売されたVEO 1310と多くの共通点を持っている。外見からは両者の違いは分からず、Vision ResearchはVEO 1310の写真をそのままVEO 610に使用したほどだ。
簡単に説明すると、VEO 610はニーズに応じてL(ライト)とS(フル)の2種類が用意されている。1.2Mpx CMOSセンサーを搭載し、ネイティブISO感度はカラーで6.400、モノクロで25.000ISOとなっている。
以下はカメラ本体についている入出力ポート。
- LバージョンとSバージョン:mini-SDIとHDMIのビデオ出力、12Vバッテリー入力、GBイーサネットポートを1つずつ搭載している。VEO 610は、18/36/72GBのいずれかの高速内蔵RAMを搭載している。
- どちらのバージョンも、Nikon、PL、C、またはCanon EFレンズマウントが利用可能。レンズマウントはユーザーによる交換が可能。
- Sバージョンはポートが追加されている。TC入出力、トリガー、ストロボ、Fシンク、Readyポート。また、SDIポート、オンカメラコントロール、Fischerポートが追加されている。
- さらに、Phantom VEO 610 S-versionは、CFast 2.0ポート(最大512GBまで)を内蔵している。
フレームレートと記録フォーマット
Phantom VEO 610とVEO 1310の主な違いは、最大フレームレートだ。VEO 610は「エントリーレベル」のカメラなので、より遅い速度で記録する。
- 1280 x 960 at 5.610 fps
- 1280 x 720 at 7.420 fps
- 960 x 960 at 6.890 fps
- 640 x 480 at 15.530 fps
- 320 x 12 at a whopping 218.970 fps
VEO 610は、Cine RAWやCine Compressed、Apple ProRes、Uncompressed Quicktime、JPEG/DNG/RAW/DPXなど、様々なフォーマットで記録することが可能。
価格と発売時期
Vision Research Phantom VEO 610は現在発売中だが、Vision Researchはこのカメラを「エントリーレベル」と記載していても、価格については一切触れていない。現在、公式の情報はないようだ。
また、VEO 610は、必要に応じて、後日VEO 1310に「アップグレード」できることも特筆すべき点と言える。
VEO 610の詳細については、Vision Researchのウェブサイトをご覧いただきたい。