ウェディングビデオについてのインタビュー
Martin Kacvinsky氏は、チェコ共和国を拠点に活躍する結婚式の撮影監督。氏は世界中で結婚式の映画を制作しており、すでに2度ヨーロッパのベストウェディングビデオグラファーに選ばれている。今回のインタビューでは、氏のキャリア、撮影スタイル、ワークフロー、そして使用する機器について話を伺った。 2020年春のロックダウン期間に、Kacvinsky氏はオンラインの結婚式の撮影監督のマスタークラスを作成した。
Martin Kacvinsky氏は、KacoFilmsを運営している。
Kaco Filmsについて
Kacvinsky氏が結婚式の撮影を始めたのは、旅行への情熱だった。氏は会社を辞めた後結婚式の撮影を始め、Kaco Filmsを設立した。氏は結婚式の映像制作に取り組むときの創造的な自由が好きだと述べている。氏はチェコ共和国に拠点を置いているが、世界中を旅行して、結婚式を撮り続けている。また同氏は、欧州で最高の結婚式の映像作家に2度選ばれている。
同氏はドキュメンタリースタイルで撮影し、撮影のために結婚式を中断させることは極力避けている。最も重要なことは、カップルが快適に感じることであり、そうすることにより、本当の感情を撮影できると述べている。大規模な結婚式では、複数のカメラを使用する。
氏は、新しいクライアントを獲得するための最良の方法は、言葉と実績と、映像のスタイルだと述べている。
使用機材
氏は、映像は結婚式の物語を語るだけでなく、画質、ルックのためのカラーグレーディングに重点を置いている。このため、RAWで撮影している。キヤノン5D Mark IIIで、MagicLanternを使用してCinemaDNGで数年撮影した後、ブラックマジックデザインの Pocket Cinema Camera 4kのBRAWで数シーズン撮影している。現在はシグマfpでCinemaDNGを使用している。大量のストレージが必要になるが、グレーディングが重要と語っている。
Kacvinsky氏はハンドヘルドで撮影するため、小型で手頃なレンズを使用している。カメラにはIBISがないため、レンズの手振れ補正使用する。さらに、常にルーペを使用して手動でフォーカシングし、体でブレを防いでいる。氏は、ジンバルを使用して時間を無駄にするよりも、重要な瞬間を逃さないことを心掛けている。オーディオは、複数の外部レコーダーを使用している。
ポストプロダクションでは、現在DaVinci Resolveを使用している。サーバーを使用し、1つのプロジェクトで同時に複数の人が作業できる。カラーグレーディングに関しては、シンプルで、色をあまり変えることはない。主に肌の色合いと適切な露出を目指しているため、結果として得られる映像は一貫している。結局、最も重要なのは物語と述べている。
ウェディングビデオマスタークラス
昨年は間違いなく、さまざまな業界の多くの人々にとって厳しい年だった。映像業界で最も影響を受けたセグメントは、イベントや結婚式のビデオグラファーだった。氏も2020年春に予定されていた撮影のほとんどすべてが延期されたため、新しいプロジェクトに時間を使った。自分のワークフローと機器についてよく尋ねられるので、結婚式の撮影監督のマスタークラスを作成することに専念した。
マスタークラスには、8時間以上のビデオコンテンツが含まれている。これは、オンラインの(ほとんどの場合非常に技術的な)チュートリアルでは通常見つけることができない貴重な情報を提供している。 Kaco Films Masterclassは、次の4つの部分から構成されている。
- プリプロダクション:このパートには、独自のスタイルを開発するためのヒント、適切なクライアントを獲得する方法、クライアントとのコミュニケーション方法、などが含まれている。
- プロダクション:このパートでは、撮影機器(カメラ、レンズ、音響機器、アクセサリー)について、それらを使用する理由を説明している。また、機器を持って移動する場合に注意を払うべきこと、場所をよりよく知る方法、撮影を計画する方法、そしてフォトグラファーやカメラマンと協力する方法について述べている。
- ポストプロダクション:ここでは、映像の整理、編集、および最終的なカラーグレーディングに関するヒントが含まれている。カスタム作成したKACOLUTの使用方法も説明している。
- ケーススタディ:最後の部分では、過去に制作した10の結婚式を見せている。それらについて技術的な内容を解説している。
もちろん、主に結婚式の映像クリエーターを対象としているが、マスタークラスのほとんどの部分は他の映像制作にも役立つ。
Kaco Films Masterclassは690ユーロで販売されている。