半世紀近くにわたり、サンダンス映画祭(Sundance Film Festival)はVRの映画制作者が一般に作品を見せる場を提供している。今年のサンダンスにおいてテクノロジー面での最大のニュースは、ダーレン・アロノフスキー(Darren Aronofsky)監督がプロデュースしたVR作品“Spheres”を発表したことだ。それは100万ドルを超えるビジネスとなった。インディペンデントプロデューサーでもVRでビジネスができる時代になったと言える。
配信会社CityLightsは、3部作からなるSphere VRシリーズを購入したが、これはVR作品では過去最高の価格だ。正確な販売価格を確認することはできなかったが、VRScoutは140万ドルのレベルだろうと述べている。
サンダンスでは新顔のエリザ・マクニット(Eliza McNitt)氏が監督したSpheresは、VRでブラックホールや遠い宇宙を探索する作品。最初のエピソード“Songs of Spacetime”は、Sundance 2018のThe Ray Theatreで上映されている。下はそのトレーラーだ。
140万ドルというのはインディーズの世界では飛び抜けた金額であり、VR作品としては前代未聞の額だ。有名な俳優ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)のナレーションとAronofsky監督のプロデュースだとしても、だ。
配信会社CityLightsは、Spheresで収益が上がるかの賭けに出たようだ。ここ数年、多くの注目すべきVR作品が現れたが、その多くは、チケット販売以外の媒体で、関連するイベントや製品を販売することによって収入を得ている。Spheresも、オキュラス(Oculus:VR向けヘッドマウントディスプレイメーカー)とインテル(Intel)のパートナーシップによって制作されており、正確には純粋な興行映画ではない。
否定できないのは、サンダンス映画祭でのテストマーケティングでは、ニューフロンティアVR体験のチケットが映画祭だけで売り切れたことだ。少なくとも1月の10日間では、来場者は大いに興味を持ったということだろう。今後のことは分からないが、VR関係者とコンテンツクリエイターは、Spheresの今後に目が離せないだろう。
Release: Summer of 2018 through the Oculus platform.