Wiral LITE - ポータブルケーブルカム
今回はポータブルケーブルカム、Wiral LITEのプロトタイプをテストした。これは現在Kickstarterに登録されており、価格面でも使いやすさの点でも魅力的な製品だ。
2017年10月17日にWiralcamは、Wiral LITEという非常に小型軽量なケーブルカムをKickstarterキャンペーンに登録した。そして、資金調達目標の800%をすでに達成し、非常に成功したクラウドファンディングキャンペーンとなった。先日cinema5DオフィスにWiral LITEの試作品が送られてきてテストしたのでレポートする。
なお、今回送られてきた製品はプロトタイプなので、最終製品は多少異なる可能性がある。
Wiral LITEとは?
送られてきたパッケージには、底面に1/4 “ネジが付いたWiral LITEケーブルカムユニット、小さなボールヘッド、バッテリーと充電器、リモコン、1/4″ネジGoProマウント、50mロープとアタッチメントストラップが同梱されていた。ロープは同社がQuick Reel™と呼ぶものに収納されており、すばやくロープを張ることができる。
ロープをセットアップして装置を取り付け、撮影を始めるまで、実に簡単で速くできる。目的の場所を見つけたら、ロープを取り付け、締めて、撮影できるようにするまで、たった5分でできてしまう。
樹木などにケーブルを渡してWiral LITEを使用することができるが、唯一の問題は、高い位置にロープを張る方法を考える必要があることだ。木に登るとか、梯子を使うとか、考える必要があるだろう
また、ロープをしっかりと固定することが極めて重要だ。ロープがしっかり固定され、張られていないと映像が安定しない。なお、ストラップが付属しており、ロープをしっかり張ることができる。
更に、軽量であるとともにロープ一本で吊るされているため、風には注意する必要がある。風に吹かれると、最下部についているカメラへの影響が大きく、非常に不安定な映像になってしまう。ビデオでは、ソフトウェアでの手振れ補正機能を使用していないので、少し不安定な部分もある。ジンバルを使用するともっと良い結果が得られるだろう。今回は手元にあるZhiyun Smooth Qを使用している。
かなり小型のデバイスなので、重いカメラを搭載できるか不安だったが、パナソニックGH5に同社の 12-35mm F2.8レンズをマウントし、総重量約1kgのカメラを取り付けてみたら、以外にも結果は上々だった。重いカメラを使用することで、風の影響を受けにくくなったと思われる。最大耐荷重は1.5kgとなっている。ただし、重いカメラを搭載するとWiral LITEのバッテリーの消耗が早いようだ。
もう一つ驚いた事はWiral LITEの最高速度で、かなり速く移動することができる。同社によれば、最高速度が45km/hこのこと。最終製品では変更される可能性があると思われるが、これはやや速すぎるだろう。
Wiral LITEの優れた機能の1つは、ロープの両端にエンドポイントを設定できること。これが無いと、カメラが木に衝突してしまう。これはうまくできており、リモコンのボタンを1回クリックするだけで良い。ただし、その精度には多少問題があり、終端ぎりぎりにセットしないよう注意する必要がある。また、デバイスは速度の設定に応じて、止まるまでに最長20 cmほどを要する。従って、エンドポイントを作成するときは、ロープの最後に十分な余白を残しておく必要がある。
パナソニックGH5でタイムラプスモードをテストしたが、揺れが激しく使い物にならなかった。タイムラプスモードはもっと外乱の無い環境で行う必要があるだろう。なお、タイムラプスモードでのスピード設定は問題ない。
長所(順不同)
- 軽量で簡単に設置できる
- 長いケーブル が付属(50mか100m)
- 耐荷重1.5kg
- 高速の移動が可能
- 両端にエンドポイントを設定
短所(順不同)
- 揺れを受けやすく、スタビライザーが無いと映像が安定しない
- 風が強い場合は使用不可
- 最高速度が速すぎる
- 撮影中にカメラの動きを制御することはできない
まとめ
Wiral LITEはドローンでは入って行けない場所に適している。例えば、ドローン制限区域や、密集した森林のようなところなどだ。もちろんカメラの角度を制御できないという制限はある。また直線でしか移動できず、ドローンほど安定しない。しかし、携帯性に優れ、条件さえ整えば簡単に設置でき、面白いショットを撮影できるだろう。これはプロのためのハイエンドのツールではないが、気軽に使用することができ、斬新なショットを手軽に撮ることができる。
Wiral LITEの詳細については、WiralcamのInstagramやFacebookを参照いただきたい。
Kickstarterのキャンペーンサイトはこちら。