Wooden CameraがZip Box Proを発売した。Zip Box Pro はIBC2018で初めて展示された非常にコンパクトなマットボックスだ。
従来のZip Boxは、ゴム製で、レンズの前面を包み込むような金属製のクランプで固定するフィルターホルダーだった。
Zip Box Proは更に軽量化を図ったマットボックスだ。
重さは約340グラムで非常に小型にできており、3枚の4X5.65インチフィルターを収納できる。またグレアを避けるため、フィルターを傾けることができるよう突起が付けられている。
トレイはなく、フィルターは正面のスナップトップクランプで固定される。カーボンファイバー製のトップフラッグも装備されている。
Zip Box Pro Swing AwayとZip Box Pro Clamp Onの2つのバージョンが用意されている。
Zip Box Pro Swing Away
Swing Awayバージョンは、標準的な15mmロッドに取り付け、テンションヒンジを持つ。ヒンジは、2本の六角ネジで調整できる。垂直方向に8mm動かすことができるほか、グレアが出ないようわずかな傾斜を付けることもできる。
背面の114mmの開口部にはドーナツ型の緩衝材が付けられ、レンズ径に調整するための縮小リングが内側に付いている。利用できるサイズは110mm、104mm、95mm、87mm、および80mmとなっている。
Zip Box Pro Clamp On
Clamp Onバージョンは背面が異なっており、レンズの前面に取り付けるためのテンションサムクランプがある。
レンズに適合するため、幾つかのサイズのクランプが用意されている。サイズは114mm、110mm、104mm、95mm、87mmと80mm。
Bright TangerineのMisfitとの違い
マットボックスを知っているカメラマンなら、Bright TangerineのMisfitとの類似点がすぐにわかるだろう。 筆者はMisfitとMisfit Atom両方の所有者なので、Zip Box Proとの違いが分かる。
Misfit Atomは軽量だが、マットボックスとレンズがくっつかないようにするため、クランプ用のドーナツ型緩衝材を減らす必要がある。これによりレンズの交換に必要以上に時間がかかる。またMisfit AtomにSwing Awayのような選択肢はない。
Misfitはswing away アームを持つバージョンだ。アームはZip Box Proよりも上下の調整範囲は広く、多くの従来型のフィルターホルダーを持つ。
Zip Box ProのリデューサーはMisfit Atomよりうまくできている。即ちZip Box ProのClamp Onは背面が異なる構造で、現場ではより効率的だ。またMisfitが2枚のフィルターしか収納できないのに対し、Zip Box Proは3枚収納できる。更にアンチグレアチルトもZip Box Proの方が使いやすい。
Zip Box Proは、2つのMisfitの間に位置する。Clamp OnはMisfit Atomより少し機能が上だ。また、Swing Awayはより重いMisfitのいくつかの機能をが欠けている。
Zip Box Proは、ジンバル、空撮、リモートカメラなどに適したコンパクトで軽量なソリューションだ。また、フィルターを駆使した撮影をしているカメラマンにとっても、過剰な投資にならず、信頼できるマットボックスになるだろう。