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X-OCNとは何か? — RAWのようでRAWでないグレーディング用フォーマット

X-OCNをご存じだろうか?ソニーが開発した、カラーグレーディングを前提にした記録フォーマットだ。RAWを連想するかもしれないが、ソニーではそう呼んでいない。X-OCNの特徴は何か、InterBEE2016の会場でソニーの商品企画担当、岡橋 豊氏に話を伺った。

X-OCNとは?

ソニーは AXS-R5というRAWレコーダーで既にRAWをサポートしている。このレコーダーはPMW-F5/F55の後ろにドッキングして16ビットリニアRAWを記録できる、F5/F55専用のアクセサリーだった。そのR5の後継機として今年4月に発売されたのがAXS-R7。同じくF5/F55の後部にドッキングするアクセサリーだが、これに新たに採用されたのがX-OCNだ。X-OCNは、、Extended tonal range Original Camera Negativeの意味で、RAW同様、カラーグレーディングを行うのに適したフォーマットと位置付けられている。RAWとの大きな違いは、そのデータサイズ。X-OCNにはSTとLTがあり、STは23.98fps時661Mbps、LTは同389Mbpsと、F55RAWが994Mbpsであるのに対し、データレートが低くなっている。即ち、より扱いやすいカラーグレーディング用フォーマットと言える。

X-OCN

AXS-R7を装着したPMW-F5

現在はF5/F55専用

X-OCNは先に書いた様にF5/F55でしか使用できないうえ、AXS-R7は70万円以上と高価だ。記録メディアも1TBで50万円近くもする専用カードを使用する。X-OCNははっきりとハイエンド用フォーマットとして位置付けられているわけだ。しかし非圧縮RAWならまだしも、折角データレートを下げて、比較的安価な編集システムでも使えるように開発されたフォーマットをハイエンドシステムに留めておくのはもったいない限りではないだろうか。

下位モデルへの展開は?

カラーグレーディングは年々一般的になりつつあり、カラリストという職業もよく聞くようになってきた。FS7やFS5、あるいはα7SIIなど下位機種にはRAWではなくS-Logが搭載されているように、これらのユーザーでもカラーグレーディングが一般的になりつつある。しかし、やはりグレーディングには信号処理の過程が入らないRAWやX-OCNが理想的で、下位モデルへの展開が望まれるところではある。α7SIIのようなミラーレスカメラに搭載されるのはまだまだ先だろうが、ブラックマジックデザインのURSA MiniシリーズにはCinema DNG RAWが採用されており、是非FS7IIやFS5にも搭載して欲しいものだ。

cinema5D at Inter BEE 2016
ManfrottoFujiya Avic

 

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