シネマレンズ市場は、カメラ技術の進化により、この10年で一気に拡大した。かつては非常に高価だったシネマレンズが、今では手ごろな価格で手に入るようになった。今回、Samyang Optics(サムヤン)はXEENレンズの新製品を発表し、映画制作者に新しい選択肢を提供した。
韓国のサムヤンは50周年を迎える。サムヤンのレンズは他のブランドでも発売されており、そのデザインは北米や南米ではRokinonブランドで販売されている。今回は、フルフレームシネマカメラ用のアナモフィックレンズ1本とプライムレンズ3本を発表した。
同社初のアナモフィックレンズ
XEENレンズは以前から存在している。これらの予算に見合ったシネマレンズは、フォトレンズをベースに進化してきた。そして今回、初のアナモフィックレンズを発表し、その歩みを続けている。同社のアナモフィックレンズについては、2018年から噂が流れていたが、それが現実となった。
XEEN Anamorphic 50mmは、2xスクイーズの重厚なフルサイズ用レンズだ。15枚のブレードで構成されたT2.3絞りを持つ。この新しいレンズは、カーボンファイバー製の114mmの外筐と、暗い環境での撮影を助ける超高輝度の刻印を備えている。同社はこのレンズをPLマウントのみで提供するとしているが、マウント変換が可能という話もある。
現在、XEEN Anamorphic 50mm T2.3の価格は決まっていないが、噂を信じるならば、サムヤンは類似製品の50%以下の価格目標を達成したいと考えているようだ。現在のアナモフィックレンズの価格は、数百円から高級車の価格まであるので、同社の価格設定がどこに落ち着くのかは不明だ。
新しいプライムレンズ
サムヤンは初のアナモフィックレンズに加えて、フルフレームのプライムレンズの新しいラインアップもリリースする。XEEN Meisterシリーズは、チタン製で、3種の焦点距離で提供される。35mm、50mm、85mmはいずれも、13枚の絞り羽根を持ち、T1.3と非常に明るい。
新しいプライムレンズはカラーマッチングされ、PL、キヤノンEF、ソニーEマウントで提供される。i/Technologyプロトコルは、PLマウントのレンズで提供される。各レンズは300°のフォーカスリング回転角度と、設定の確認が容易な角度付きのフォーカススケールフォントを備えている。
Meisterラインは、8Kをサポートし、同社がX-coating技術と呼ぶコーティングを施されている。レンズと内部の光の反射の両方をコントロールして、独特のルックを作り出すことができる。これには、ドラマチックな効果をもたらすフレアやゴーストの制御も含まれている。これがどのように実現されるかはわからないが、TRIBE7やBLACKWING7のラインアップを参考にしているようだ。
その他の情報はXEENのウェブサイトをご覧いただきたい。
必要性
現在は情報が乏しいので何とも言えないが、XEENのアナモフィックレンズとマイスターラインは、ローマとマドリッドで開催されるマイクロサロンAICで見ることができるので、近いうちに更に具体的な情報が得られるかもしれない。
サムヤンレンズのラインアップはこちら。