昼光色のZylight F8 200はユニークなライトだ。これは1×1パネルとほぼ同じ大きさだが、単純な高出力ライトと比較するのは誤りで、見た目以上の明るさを持つ。筆者は最近欧州のドキュメンタリープロジェクトでZylight F8 200を現場に持ち込み、さまざまな状況でこのLEDライトを実際にテスト使用したのでレポートする。
Zylight F8 200の概要
多くのアイデアがこのライトに採用されているのがすぐに分かる。 0〜100%の範囲で調光可能で、動作音は静かだ。出力調整用のレンズを外にアコーディオンする仕掛けは非常にうまく機能する。後ろにあるノブを回すだけで、レンズが伸び、ビーム角度は16度から約70度に調整できる。デザインはシンプルで、アクセサリーも含めて小さなペリカンケースに収納できるので、持ち運びに便利だ。従って多くの現場に持っていけるだろう。組み立て品質もしっかりしており、衝撃にも強そうだ。 6週間使用したが、問題に遭遇することはなかった。これ以上長い撮影でも十分耐えられるだろう。
屋外での使用
同社はこのライトのCRI は93としているが、経験から言うとこれは正確な数値だろう。今回は他のいくつかのブランドの昼光色LEDライトとペアで使用したが、マイナスグリーンを施さなくても完全に色がマッチした。このライトはIP54規格にも準拠している。これにより、雨、雪、埃の影響を受けることもない。実際、雨の中でも問題なく使用できた。
電力は家庭用電源から供給することができるが、スタンドに固定されたデュアルVマウント、あるいはゴールドマウントバッテリーでも動作する。2個の新しいAnton Bauer Dionic 90を使用すると約1時間使用できる。今回はすべてにDionic 90を使用したが、これも特に問題はなかった。アルプス中を旅行するドキュメンタリープロジェクトなので、このライトはまさに最適のものだった。ライトの重さは4.5 kgを少し上回るので、スタンドは砂袋で固定した方が良いだろう。
出力
このライトの出力は特筆できる。部屋の中ではバウンスキーライトとして使用でき、あるいは太陽光に見せて背景の暗い部分を調整することができる。インタビューでは、被写体の人物の影を消すため、室外からの外光として使用した。
アクセサリーと価格
2,499ドルという価格は、同社の同出力HMIライトよりかなり安価だが、同光量のタングステンライトよりも高価だ。しかしご存知のようにタングステンは熱く、電力を食う。Zylight F8 200にはソフトボックスからケースまでさまざまなアクセサリーが用意されているが、バーンドアはキットに含まれている。 Zylight F8 200は3200Kも入手可能だ。
まとめ
あらゆる現場で使えるライトがあれば理想的だが、Zylight F8 200のような高CRI /高出力のライトというと、そう簡単には見つからない。Zylight F8 200はコンパクトなので少人数のクルーの現場でも携帯でき、電源も家庭用を使用できるので、いろいろな付帯器具を付けなくても手軽に使用することができる。欧州での撮影以来、筆者はZylight F8 200を使用する機会が多くなった。そして着実に筆者の信頼できるライトの1つになりつつある。 LEDライトは各社から実に様々なものが発売されているが、Zylight F8 200は筆者にとって今や手放せないライトになっている。